【地球の肺が危ない】アマゾンの大規模火災。その真相。
活発すぎる秋雨前線の影響で福岡ではバケツをひっくり返したような大雨が続いています。この大雨がブラジルにいけば少しは沈下の助けになるのではと思わずにはいられません。
今回は、ブラジルのアマゾンで多発している記録的大火災です。
何が起きているのか
大規模な火災
今ブラジルのアマゾンでこれまでにない規模の熱帯雨林が消失しています。その影響は3200キロ以上離れたブラジルの最大都市サンパウロの街を暗闇に包むほどの被害を出しているだけでなく、煙が大西洋岸まで到達しています。
今年に入ってからでも7万4155件の火災が発生し、その数は前年同期比で83%も増加しています。8月15日からわずか1週間で9507ヵ所で火災が発生しているのです。
この影響で今年だけでも1億1700万トン相当の二酸化炭素(CO2)が排出されているとの指摘があります。このまま続くと、湿地帯であるアマゾンがサバンナのようになり、先住民や動植物の生存を脅かすだけではなく、地球温暖化などの気候変動に重大な影響を及ぼすことになるのではないかと危惧されています。
8月13日以降に起こったすべての火災を記した地図です。すごい規模の火災であることがわかります。
火災の原因
ブラジル環境省は火災の原因を、アマゾン地域一帯が乾燥していることを主因にあげ、焼き畑にによる延焼や乾燥が副因であるとの見解をしています。それもあるでしょう。ですが一番の要因は自然現象ではありません。
これは人為的な火災です。
ブラジルは元々、サトウキビや大豆の生産増大に向けた農地拡大や資源開発などのために大規模な森林伐採を進めていましたが、
2019年1月にボルソナーロが大統領が就任してから、森林開発が一層加速しました。
ボルソナーロ大統領(ブラジルのトランプ)
ボルソナーロ政権はアマゾンを産業発展に利用する考えが強く、森林法の大幅な緩和や取り締まりの予算を削減してきました。
ブラジルではアマゾンの原生林を直接農地に転換することは法律によって大きく制限されていました。近年森林法は緩和されてしまったのですが、それでも原生林の破壊は犯罪となっています。しかし火災などで焼失してしまった土地は対象外となります。
そこで人為的に火災を起こし広げた土地を大豆農地や牛の飼育のための牧草地にしているのです。もちろん放火は犯罪ですが予算の削減により、取り締まりが一層困難となっているのです。これはすなわち
ボルソナーロ政権の目先の金儲けのための環境犯罪です。
世界の報道
アマゾンの森林火災に対して、SNSでは、「#Pray for Amazomes」=「アマゾン川流域地帯に祈りを」といった言葉が話題になり、世界トレンド1位になっています。レオナルド・ディカプリオやアリアナ・グランデといった著名人達も心配の声を上げています。
アリアナ・グランデ:「世界で最も大きな熱帯雨林が16日も燃えているの。そしてメディアは全く気にもしていないわ『#アマゾンに祈りを』」
確かにアマゾン火災のニュースは大々的に取り上げられていない印象を受けます。しかし世界的な関心を集めていることは確かです。では日本ではどうか。同じくメディアでの取り扱いはとても小さいと感じます。
日本も関与
1977年から1999年にかけてJICA(独立行政法人協力機構)による日本の融資によってアマゾンの開発は進められてきました。今の問題の日本にあると言えるのかもしれません。
これからの対応
アマゾンの危機は日本も深く関わっています。日本のメディアが今回の大規模森林火災を黙殺するか、扱っても小さいものだったのに対し、モデルのローラさんやお笑いタレントのブルゾンちえみさんがSNSでいち早く危機への警鐘を鳴らしました。これを見てメディアは恥じるべきだし、役割を果たすべきだと思います。
日本政府も開発に加担してきたことを直視し、ボルソナーロ政権との経済協力を見直すべきだと思います。フランスはブラジルを自由貿易協定からの除外を警告、ドイツも賛同しています。
日本政府の対応が問われています
私たちはこの問題を無視するのではなく声を上げ続けなくてはならないのです。
メディアが取り上げざるを得ないほどに大きな声を。
政府が、国が、世界が解決に動き出すほどに大きな声を。
アマゾン破壊を止める意志を示そう!